01 Apr,2003

つなぎめ

blog music

人と話をするときや文章を書くときには, 話のつなぎめが大変大事です. たとえば,

AはBである。BはCである。AはCである。

というと, _いろいろな文をただ並べたてているだけ_に見えますが, ちょっとつなぎめをいれて

AはBである。そしてBはCである。 ゆえにAはCである。

とすれば, たちまち_ひとつのストーリーとしての文章のまとまり_が出てきます. これをちょっと間違えて

AはBである。そしてBはCである。 しかしAはCである。

とすると,ストーリー性は一応あるものの, _文章の意味はなんだかよくわからなく_なります.

毎晩子守唄がわりに 落語を聞くきょうこ隊員の分析によると,志ん朝のすごいところは, 複数の人物のセリフを切替えるほんのちょっとしたタイミングで, 時にはお互いにかけあっている場面を, _時には同時に話してる場面をつくり出してしまう_とこだそうです. もちろん,一人で話すので,同時に話せるわけがないのですが, それを同時に話しているように聞かせてしまう. これは単純に口調をかえるだけではできるはずがなく, 口調のかわるつなぎめがポイントな気がします.

先日室内楽の講習会でピアノを見て頂いたとき,あるフレーズとフレーズの間を 「オーケストラの楽器が変わるように弾いて」 とアドバイスを受けました. ピアノのようなハンマーで弦を叩くだけの(?)打楽器でも, それなりのレベルの人になると, オーケストラの様々な楽器やオペラの各場面を彷彿とさせるような演奏をします. これも,単純に音色を変えれば良いというものではなく, 音色や場面の変わるつなぎめを上手に処理することが, 劇的な場面の変化や情景描写を聞き手に伝えるための大事なポイントのようです.

_モーツァルト_なぞ, この場面展開がめまぐるしく, よほど綿密に作戦を練って頭にストーリーを入れておかないと, シンプルな音の並びの中できちんと場面を変えることはできません. 「モーツァルトは子供か老人しか弾けない」 などと時々言われる理由はここにもありそうです.

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