弦楽器の弦はずいぶんいろいろあって、楽器との組み合わせ次第で楽器の音も弾きやすさも随分かわります。 いろいろな弦を少しずつ試して来た印象を書いておきます。 どなたかのご参考になれば幸いです。
スピロコア(Spirocore)
レスポンスがよく、明るく倍音が豊かな音がする。 弦はそれほど太くなくて押さえやすい。 A線は丁寧に鳴らさないとやや耳障りな音になることもある。 また,倍音がよくなる楽器に張ると倍音が鳴りすぎてうるさく感じられることもあるので、おとなしめの楽器におすすめ。 C線とG線にスピロコアを使い、A,D線はLarsen等と組み合わせることが多い。 C,G線は、音量が大きく基音の鳴りがしっかりしたタングステンコアのものやシルバーコアのものもある。 弦はスチールをロープ上に巻き付けてあるため、編み目のずれで調弦が突然(少しだけど)変わることがあるので、調弦の際は最低2回ず つ合わせる必要あり。
金色の弦で、音もどことなく品のある金色の甘美な音がする。 弓も弦に滑らかに吸い付く感じがする。 以前持ってたややおとなしい音色の楽器と組み合わせたときには 少し暗いかんじになってしまったが、明るめの楽器と組み合わせるといいと思う。
エヴァ•ピラツィ(Eva Pirazzi)
2003年から2004年にかけて発売された、できたてほやほやの弦。 社長の名前を弦名にした自信作(?)。 ラーセンよりも少し華やかなかんじがするが、スピロコアほどうるさくもない。 このバランスの良さのためか大ブレーク中!? リスポンスも良い。
リスポンスがよく、朗々とよく響く大きな音がする。 ただ、弦が太く張りが少しきついため、手が大きくしっかりしたヒトでないと使いにくいかもしれない。
やや落ち着いたかんじのしっかりした音がする。 A線とD線にLarsenを使うヒトは多い。 体格が大きく腕の重みをしっかりと弓にのせれるヒトに向いているという意見を聞いたことがある。たしかに大柄な人がしっかり鳴らすと 本領を発揮する気がするが、小柄でも上手に使ってるヒトもたくさんいる。
合成弦。ガット弦の代用になるように開発されたらしい。 明るめの音でよく鳴るが、決して耳障りでなく暖かい響きである。 この音が気に入ってわりと長い間使っていたが、 レスポンスがやや悪く特にC,G線はしっかりと鳴らすようにしないと表面をこすっただけの音になりがちなのが欠点。 (僕の腕前の影響も大きいけど)
ナイロンコア。倍音が豊かで柔らかく暖かい響きがする。 ウィーンフィル御用達の弦と聞いたことがある。 弦がナイロンのため大変やわらかいので左手の押さえはとても楽。 ただし、スチール弦と違った弓のコントロールが要求される。 初めは少しひっかけるようにして、その後すぐに脱力するといいと何人かから アドバイスをうけた。 また、弓のちょっとした荒いコントロールがすべて音に出てしまうのが、欠点 でもあり利点でもある。 弦の寿命はスチール弦に比べると短く、特にA線の倍音の響きの衰えは早い。 ドミナントは製造時に金属カスが弦に少しまじっているので、アルコールをしみ込ませたティッシュで弦をあらかじめ拭いておくと、音も 早く落ち着き、手につく汚れもなくなる。ただし、アルコールを楽器につけてしまわぬようにくれぐれも注意。
G/C線しか試したことは無いけど,柔らかく,でもしっかりと芯のある響きで音量も良く出る。リスポンスも良くて弾きやすい。という わけでとても好みに合う弦なのだが,なにせ,ガット弦なので調弦が狂いやすいのが欠点。。。
弦は1セット買うだけで結構な額がするので、最近は海外通販をよく使います。 うまく選べば国内で一番安い店よりもさらに3-4割安く買えます。 ただし、弦だけの価格が安くても送料が高くなる店もあるので店選びには要注意。 僕が時々買うお店は以下の通りです。