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「子どもの科学」の創刊号にある巻頭言「この雑誌の役目」が素晴らしいなと思う一方で,創刊から90年たった今も状況はあまり変わってない気がする。

この雑誌の一ばん大切な目的は,ほんたうの科学といふものが,どういふものであるかを,皆さんに知っていただくことであります。ちかごろは,「科学科学」とやかましくいひますが,ほんたうに科学といふものを知っている人は,沢山ないやうです。人は生まれながら,美しいものを好む心をもってをりますが,それと同じやうに,自然のもの事についてくはしく知り,深くきはめようとする欲があります。昔から,その欲の強い人々がしらべた結果,自然のもの事のあひだには,沢山の定まった規則のあることがわかりました。科学といふことは,この規則を明らかにすることであります。多くの人が科学といつているのは,大ていはその応用に過ぎません。この規則を知ることによつて,人間は,自然にしたがつて,無理のないやうに生き,楽しく暮らすことができ,これを応用して世が文明におもむくのです。

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