「プロなのに」とか_「アマチュアなのに」とかいった言い方をよく耳にしますが、 「プロ」「アマ」_のその違いはそもそも何でしょう? プロはその道で金を稼いでる人アマチュア金をかせがず(むしろ払って?)やってる人、 ってあたりがまず思いつきますが、 そんじゃぁ年に一度ちょろっとおこずかいをかせぐような人も プロなのかしらん、 どこが境界なのかしらんとツラツラ思いつつ、辞書を調べてみました。 岩波の国語辞典によると、

プロフェッショナル:本職とすること。職業的。プロ。

とあり、さらに、「アマチュアの反対語」と書いてあります。 で、_アマチュア_を調べると

アマチュア:しろうと

「ぉぃ、しろーとやおもてなめとんのか」と思いつつ_「しろうと」_を調べると

しろうと:ある事に経験のない、専門的でない人

だそうです。 「プロ」が「本職とすること」とあるので、_「アマチュア」_の意味がその反対であるなら 「本職でないこと」であっても、「経験の無い」ってのは 微妙に意味がずれてる気がしますし、ここで終ってはおもしろくありません。

_アマチュア_の語源を調べると、 ラテン語の &class(pink){amator (愛好者、愛する人という意)};だそうです。 そもそもはスポーツ界で、 _競技からコマーシャリズムを排除し、また、純粋にスポーツを愛好することを指すために 「アマチュアリズム」 という言葉が使われるようになったのがはじまりだそうです(イギリスでこの言葉が使われた背景には、 いわゆる上流階級が労働者階級をスポーツ競技から締め出す政治的な意味合いも若干あったようですが)[1]。 オリンピックは今でこそプロも活躍しますが、 そもそもは「アマチュアリズム」という名のもとに、プロの参加は禁止されてましたね[2][3]。 今でも「日本体育協会スポーツ憲章」や「全日本アーチェリー連盟 競技者規定」には、 アマチュアに関する規定の項目があります。 前者では 「自発的にかつ純粋に楽しみ、かつ最善を尽くす」_ といった項目があげられてます。 さらに後者ではこれに準じた上で _金銭目的を排除_する為の項目がキッチリ書かれています[2]。

これを読む限りは、 _「アマチュア」という言葉には岩波国語辞典にあった「しろうと」のように 「経験がない」等の技能の優越に関連する意味合いは存在しません_。 そもそもオリンピックでメダルをとったアマチュアのスポーツマンを一体誰が「しろうと」と呼ぶでしょう?

というわけで、 _「アマチュア」とは、レベルと関係なく 「金銭的目的ではなく純粋にかつ最善を尽くして楽しむ人」_ってことになります。 まさに amator なのですね。なんだか随分良い言葉に思えて来ました。 ん、しかし、「アマチュアのピアノ弾きです」とかって言葉は時々聞くけど 「アマチュアのテニスプレーヤです」ってのはあまり聞かないのはなんでかしら?

「プロフェッショナル」についてはまた今度。

Next Post Previous Post